びずまんぶろぐ

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ロサンゼルス駐在⇒転職して東京で外資系勤務のしがないサラリーマンのブログ。妻と娘の3人家族。

never young beachとYogee New Waves にみる邦楽ロックの行方


どうもびずまんです。

 

アメリカに来て、洋楽を聴く機会が日本にいた時よりも格段に増えたのだが、日本人として邦楽の行方も気になる為、主にYouTubeをソースに最近流行っているっぽい音楽も聴いている。

 

そんな中、最近気になったバンドがnever young beachYogee New Waves

たまたまなのか何かの因果関係があるのか、似たようなバンド名である。

英単語を三つくっつける、と言う手法は少し前のロックバンドがよく使っていた手法であり、過去への回帰であると同時に、ここ最近流行っていた「訳の分からない日本語を羅列する」と言うバンド名に対してのアンチテーゼなのかもしれない。

 

この二つのバンドが「今後の邦楽ロック」であるとするなら、20年ほど続いた「ギターポップロック」の流れが今まさに転換期にあるような気がしている。

 


never young beach - 明るい未来(official video)

 


Yogee New Waves / SAYONARAMATA (Official MV)

 

BUMP OF CHICKEN、ASIAN KUNG-FU GENERATION、RADWIMPS、サンボマスター、チャットモンチーをはじめとする邦楽ロック(度々「ギターポップロック」と称される)と、それらのバンドもしくはそれらのバンドが影響を受けたであろうバンドに影響を受けたバンドたちの時代がだいたい20年くらい、長らく続いてきていて、僕の青春時代の音楽の歴史もまさにそれだった。

考えようによってはMr. Childrenやスピッツなんてバンドもこの流れの中にいるのかもしれない。

余談ではあるが、このギターポップロックの初期にメロコアバンドも一瞬流行ったが、メインストリームに躍り出る前に衰退してしまったような気がする。(あくまで流行の、という意味で)

 

ギターポップロックの特徴は、キャッチーさと「バンドっぽさ」かな、と思う。

キー高めのヴォーカル、ドラマチックな曲展開、ギターサウンド主体の構成。

上述したバンドたちが、Oasis、Nirvana、Blur、GREEN DAY、Smashing Pumpkins、Weezer なんかのいわゆる洋楽ロックの影響を受けて育った感性を日本語ロックに昇華させた形が、桑田佳祐や宇多田ヒカルによって「輸入」されていた「洋楽っぽさ」に慣れてきていた当時の音楽シーンにガチッとハマったのだろう。

兎にも角にも、ギターポップロックの時代は、2000年ごろから続いていた。

 

あまりにもこの流れの中にハマるバンドが多すぎたせいで、僕も、「バンドとはこういうものだ」「曲構成とはこういうものだ」と思い込んでいた。

実際に僕自身が曲を作るときも、なんの疑いもなく、Aメロがあり、Bメロで少し変わったコード進行を使い、サビに移行する、2番のサビが終わった後にはCメロを挟んでもう一度サビに戻る、というありがちな曲構成が当たり前だと思っていたし、サビには当然盛り上がりが必要だと思っていた。

 

ところがどっこい、never young beachとYogee New Wavesの登場で、ハッとさせられた。

 

サラッとしたオシャレ感。

それでいてちょっと古臭くダサい感じ。

キーが高過ぎないヴォーカル。

起承転結のハッキリしない曲構成。

ギターというよりはベースとドラムが主体のサウンド。

なんでもない日常を切り取ったような世界観。

 

なんというか、一言で言うと昭和っぽい

というか、はっぴぃえんどっぽい。

 

そして明らかに、今までの音楽シーンの流れを素直にくんでいない感じがする。

やっとこさ音楽シーンに新しい流れができようとしているのかな、と思った。

 

ファッション業界と音楽業界には、流行のサイクルがあるらしい。

その周期がだいたい20年。

周期が巡るには、十分な月日がすでに流れている。

 

個人的な見解ではあるが、ギターポップロックは、ある種の虚構の中にドラマを見出していたように思う。

BUMP OF CHICKENの「天体観測」に感動した人のなかに、どれだけ午前二時踏切に望遠鏡を担いでったことがあるだろうか。

そんな経験がないのに「天体観測」に感動してしまうのは、「見えないモノを見ようとした」ことに類似する思いを誰しもが抱えたことがあるからだろう。

その一つの景色を共有するために、「天体観測」というドラマがバンドによって生み出されたという感じがする。

 

一方で、never young beachとYogee New Wavesの曲は、日常の中にドラマを見出している。

歌詞や世界観を辿れば、なんでもないことの中にドラマがあるのだ、と言わんばかりである。

この世界観は、非常に平成っぽいなぁ、と思った。バブル世代にはこの感覚は分からないだろうな、と思うのだがどうだろうか。

 

まとめ

この二つのバンドを初めて聴いたときに、かつてギターポップロックを発見した時のような感覚に陥った、つまりすごくハマった、鳥肌が立った、なんてことは決してなかった。

ただ、それにも関わらず、最近ではほぼ毎日この二つのバンドを聴いている。

それがなんなのかはよく分からないにせよ、彼らになんだかよく分からない魅力があることは間違い無いのだろうな、と思う。

 

僕は日本にいないので、これらのバンドが今どれくらいシーンで流行り始めているのかは肌感覚では分からない。

ただ、今後の音楽シーン20年の流れが、ここから始まるんじゃないかな、なんて言う淡い期待を抱きながらワクワクしているのも事実である。

こんなバンドが現れたのは本当に久しぶりだと思うのだが、これからはどんどんと、新しい音楽シーンを切り開いていくバンドが生まれてきてくれればいいなぁ、と思う。

 

余談。

最近のバンドのMVは女優さんやモデルさんが起用されてドラマ風に仕立て上げられるのが一般的なようだが、僕にとっては非常に喜ばしい。

Yogee New Waves の SAYONARAMATA に出演している岸井ゆきのさんが顔を洗っているシーンが非常に可愛いので、是非ともそれも観て欲しい。

 

さらに余談ではあるが、never young beachのヴォーカルの方の実のお兄さんが俳優の高橋一生らしい。似てねーなぁと思いながらMVを観ていると、たまに面影があるもんだから不思議。