びずまんぶろぐ

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ロサンゼルスで働く意識低い系ビジネスマンのブログ。株式投資や生活についてつぶやきます。

【M-1グランプリ2017感想】とろサーモンの優勝に思わず涙が出た


こんにちは。びずまんです。

 

M-1グランプリを今年もみました。

 

 

僕はM-1を第1回から観続けてきていて、イチ関西人としては、「笑い」の感度を高く保つためにも開催される限りは毎年必ずみていきたいと思っている番組です。

そんなM-1グランプリの歴史の中でも、僕が忘れられない衝撃は、何と言っても2003年の笑い飯の「奈良県立歴史民俗博物館」のネタ。「M-1といえば?」と質問されれば、必ずこれが最初に浮かぶほどの衝撃でした。

2002年には談志師匠から「お前らここへ出てくる奴じゃない、もういいよ。俺、褒めてんだぜ。わかってるよな?」とテツandトモが言われて会場が凍りついたことや、2003年と2004年に千鳥が2年連続トップバッターで2年連続最下位だったのも思い出深いし(そこから考えれば、今の千鳥のお笑い界での立ち位置は非常に感慨深いものがあります。当時の「さっちゃんとカブトムシを取りに行く」というただただ下ネタで悪ふざけしてるだけのネタをM-1のトップバッターで平然とやってのける千鳥も大好きでした。M-1と言う舞台にもかかわらず一貫して「自分たちのやりたいことをやりたいようにふざける」をやっていたのは千鳥と笑い飯だけだったような気がします。)、2004年の南海キャンディーズの登場、麒麟の田村が発した「頑張れ俺たち!」のアドリブ、過去大会で一番レベルの高かったと言っても過言ではない2005年大会でのブラックマヨネーズの圧巻の優勝、2005年にすでに雰囲気があったチュートリアルがそのスタイルを完璧に完成させて優勝した2006年、いまや知らない人はいない存在となったサンドウィッチマンがその名を世間に轟かせた2007年大会、2008年大会のオードリーのブレイク。

いまざっと思い返しても僕ですらこれだけのことが一気に思い出せるほど、M-1グランプリが濃い大会であることにお笑い好きであれば異論はないと思います。

個人的には2002年〜2006年の大会の空気が好きで、特にクリスマスもしくはクリスマスイブに決勝戦をやっていた大会は、真のお笑い芸人達がしのぎを削りあう姿を街が浮ついているのを横目に家でコタツに入りながら見届ける、と言うあの空気がなんともいえず好きでした。そう言う意味でも、2005年大会(12月25日)はやはり歴代最高の大会だったと思います。

 

2008年ごろから少し空気が変わってしまったような気がして、特に2015年の復活以降を僕は「第2章」的な捉え方をしていました。

もちろん依然として面白いし、楽しくみていたのですが、2005年や2006年のようなひりつくような熱気が足りなかったと言うか。

中川家礼二のようにM-1世代の漫才師や、博多大吉先生のような現役で雛壇もやるような芸人を審査員として迎えたことは面白いな、と思うし、M-1の顔であった島田紳助の代わりのポジションに入った上沼恵美子もいい味出していますけど。

 

大会として一つの完成形となった2017年のM-1グランプリ

とはいえ、今回のM-1グランプリの大会形式や審査員は、一つの完成形だったと思います。2008年以降のM-1グランプリの中では一番M-1らしいM-1を観たというか、久しぶりに「M-1を観たなぁ」という感動がありました。

 

会場が温まりきった状態でネタができることにより、他の本線から勝ち上がってきた決勝進出コンビよりも敗者復活戦の勝者が得をしてしまう(実際、敗者復活戦から勝ち上がったコンビが最終決戦に残る確率は異様に高かった)ことを解消するために考案された「笑神籤(えみくじ)」システム。

毎回1組が終わるごとにくじを引いて次の出演者を決める、と言う方式で、「順番によるメリット」を少しでも平準化しようとした試みで、ネットを見ていると色々と賛否はありますが、個人的には1組目から最終組までを公平にみることができてよかったと思いますし、それもあってか、会場も1組目から温かかったような気がします。

ただ、その分全体的に力が入って観ることになったような気がするというか、疲れてくると言うか、最後の方は若干食傷気味になったところはありますが。(特にミキの2本目はちょっと頭が痛くなった)

観る側からすれば、あらかじめ順番が決まっていた方が番組全体のテンポや構成的にもいいかなぁ、とは思うんですが、賞レースとしてはより公平になったかな、と。出演者側からすればめちゃめちゃキツいんでしょうけど。

 

そして、審査員のバランスも7人であること、それぞれの審査員の好みや審査基準のバラけ方、なども今までで一番よかったなー、と。

松本人志か博多大吉が「5人の審査員(2016年は5人)はキツい。好みの笑いだから2点足しとこか、と言うような評点ができないから、より審査する目線でみてしまう。」ということをどこかで言っていましたけど、お笑いというのは、「上手さ」や単純な「笑いの量」だけでは割り切れない面白さがあると思いますし、それ以外の部分を評価する審査員の「遊び」の部分があってこそ面白い賞レースが生まれると思うので、今回の審査員はよかったな、と単純に思いました。

 

最高だったかと言われれば「うーんどうかな。」と答えてしまうとは思うんですが、大会としては非常にまとまりのあるいい大会だったな、と。ある意味、これが大会としての完成形なのかなぁ。

 

それぞれのコンビに対する感想

せっかくなので、「もし僕が審査員だったら」という点数とともに、個人的な感想も述べていきます。

 

ゆにばーす(87点)

個人的には川瀬名人のキャラがもともと好き、という色目もありましたが、今までのM-1の一番手で一番面白かったんじゃないかな、と思いました。キャラが強すぎることによってできる変な空気に陥ることもなく、ネタの完成度も高かったのではないでしょうか。ただ、まだ優勝できるほどの実力はないのかなぁ。

 

カミナリ(83点)

上沼恵美子は褒めていましたが、個人的にはあんまり。2016年の衝撃を上回ることはできなかったかな。間が独特で、何組かまとめて漫才を観るときにはこういうコンビも観たいな、という気持ちがあるんで貴重な存在だとは思うのですが、ネタ自体もそれほどいいものではなかったような。

 

とろサーモン(86点 / 2本目のネタ 1位)

はっきり言って、一本目のネタは面白くなかったです。何を言っているかわからない部分もあったし。とろサーモン独特の「怖いもの見たさを見ているような感じ」が混じったような空気間もあまり出せてなかったかな。中川家礼二の「とろサーモンの出来は久保田君のテンション次第で決まる」というコメントが的を射過ぎていて、「なるほどな!」と思いました。

それでも2本目のネタは最終決戦進出3組の決戦ネタの中では一番輝いていたと思います。優勝、という結果には文句はありません。

 

スーパーマラドーナ(85点)

昔から知ってるけど、あまり進歩してないなぁ、と。面白いし上手いんだけど、爆笑したり、「うわぁすごいなぁ!」と唸ったり記憶に残るような漫才をしているところをみたことがないです。面白いんやけどなぁ。少なくとも、昨年までの大会形式で敗者復活戦から勝ち上がって変に盛り上がってしまった結果最終決戦に進んでしまう、ということが起こらなくてよかったな、と思いました。

 

かまいたち(90点)

もはや貫禄すら出てきましたね。キングオブコントの王者、という肩書きがなければ、最終決戦に残ってもおかしくなかったと思いますが、お客さんや審査員の期待値が高過ぎたのかな。でも、千鳥もかまいたちも関西ローカルの番組で大活躍していたコンビなので、改めて、全国区になって本当によかったな、と思います。

 

マヂカルラブリー(82点)

上沼恵美子とのバトル(?)がネットニュースになってましたね。個人的にはネタ自体はそこまで悪くなかったな、と思いましたけど。(ネタ後のインタビューと審査員とのやり取りは見てられなかったですけど)

 

さや香(89点)

知らなかったコンビを知れた、今後売れるかも、という期待を持たせてくれた、という意味では、今大会での特別賞をあげたい存在でした。ネタも面白かったし、コンビ暦や年齢に比べて「巧いなぁ」と思わせると同時に、いい意味での「若さ」もネタに現れててよかったです。一番割り切って楽しんでやってたかな、というのも高評価でした。テレビの前で、ネタが終わった後に思わず拍手しそうになるくらい盛り上がりました。

 

ミキ(88点 / 2本目のネタ 3位)

手数の多さとテンポの良さ、テンションの高さを武器にする「正統派M-1芸人」のような気がしました。力技でお客さんを笑わせにいくスタイルというか、NON-STYLE、パンクブーブー、トレンディエンジェル、とかこの系統ですよね。(NON-STYLEを漫才スタイルで括ってしまう、というのもおかしな話ですが。)

M-1で実力以上に評価されすぎる傾向があるタイプの漫才コンビだと思うので、個人的にはあまり得意ではないんですよね。面白いけど優勝するほどではない、といつも思ってしまいます。審査員の誰か(松っちゃんかな?)が「一つ一つのボケはそこまで面白くない」と言っていたような気がするんですが、まさにその通りやな、と。

案の定、2本目では見ているのが少ししんどくなってしまいました。(過去のNON-STYLE、パンクブーブー、トレンディエンジェルの時もそう思ってました。)

 

和牛(94点 / 2本目のネタ 2位)

和牛も、今までは「安定して面白いけど優勝するほどは面白くない」コンビ、という印象があったんですが、決勝1本目のネタはめちゃめちゃ面白かった。今大会で一番笑いました。ネタの完成度や新しいことをやろうとしている感じ、盛り上がり方(最後のスティーブ・ジョブズ風の両親への手紙発表会、は腹抱えて笑った)、どれをとってもすごかったな、と。

その分、2本目のネタがいつもの和牛に戻っていて、勿体無いな、という感じはしましたが、1本目のネタによって、僕の中では和牛に対するイメージが少し変わりました。

また、和牛は今回と前回、予選の第3回戦以降で披露したネタを全て変えてきていた(つまり同じネタは繰り返していなかった)らしいです。他のコンビは一番大事な準決勝と決勝の1本目にいわゆる「勝負ネタ」を披露するのが定石だと思うんですが、同じ賞レースの流れの中で、「同じネタを披露する」ということを彼らの哲学が許さなかったんでしょうか。そう言ったサイドストーリーを楽しめるところも、M-1の面白いところやな、と思うんですよね。

 

ジャルジャル(92点)

漫才をみせられた、というよりも「一つの完成した芸をみせられた」という感覚に陥りました。よくあのネタを考えついて、あの舞台でやりきったな、と。笑ったというよりは感動した。最終決戦に進めなかったのは、そういったところが良くも悪くも評価されたからかな、と思います。リーダーか巨人師匠が「バカはわからないネタ」と言っていましたが、この「面白み」みたいなものをどこまで噛み砕くか、というのもこのネタの一つの要素かな、という感じなんですよね。

もともとジャルジャルのネタってそれほど好きじゃなかったんですけど、今回のネタはこの大会の中でもある意味光っていてすごくよかったな、と思います。

 

今大会には、「とろサーモンの優勝」というドラマがあった

その中でも優勝したのはとろサーモンでした。

この優勝に対しては賛否両論当然あるでしょうし、今後売れていくコンビでもないんだろうな、というのが正直な感想なんですけど。

でも、今回の優勝がとろサーモンで本当によかったな、とは思ってるんですよね。

 

とろサーモンは10年以上前から知っていて、特に2006年〜2008年のとろサーモンはすごかったんです。

  • 2005年 オールザッツ漫才 準優勝
  • 2006年 第27回ABCお笑い新人グランプリ 最優秀新人賞
  • 2006年 オールザッツ漫才 優勝
  • 2007年 笑いの超新星 最優秀新人賞
  • 2008年 第38回NHK上方漫才コンテスト 最優秀賞

ただ、当時から好き嫌いの分かれるネタをやっていたし、僕自身も、「おもろいなぁ」と思うこともあれば、「なんかあと一息欲しいなぁ」とか「おもんないなぁ」と思うこともある、という不思議な存在でした。

ケンドーコバヤシがボケの久保田のことを「芸人としては100点、人間としては0点」と評していて、その「人間としては0点」の部分がちょいちょいネタに現れてそれが面白いと感じる時もあれば、イラっとする時もあるんですよね。基本的にはイラっとするんですけど。

 

ただ、そんなとろサーモンが、2017年という彼らの栄光の時代からは長い時を経たM-1の決勝戦という舞台に立った、というところがもうすでにドラマではないか、と思っていたんです。とろサーモンの決勝戦進出が決まった段階で。

 

そして、下馬評をひっくり返してのまさかの優勝。

 

とろサーモン、特にボケの久保田からは、「売れたい!売れたい!売れたい!」と心の中で思っているくせに「M-1芸人みんな死んでまえ!」「M-1なんかおもんないねん!」と言ってしまう、という非常に情けない人間性がプンプン漂っているんですが、そんな彼らがM-1という大会で優勝する、というのは展開として非常にドラマチックだったわけです。

だって、とろサーモン久保田なんか面白くなかったらただのクズですからね。そんな彼が面白さで評価されたんだから、それはもうドラマだし、ロックじゃないですか。

 

現に、彼らの優勝が決まった瞬間、思わず大量の涙が溢れてきました。

 

「売れていない芸人の悲哀」みたいなものを背負った芸人が優勝する、というのは過去のブラックマヨネーズの時も思いましたが、やっぱり思わず涙が出るものなんだなぁ、と。それまでのコンビの想いなんて全然知らないのに、全て報われたような感覚になってしまうんですよね。

審査員のみんなも号泣していました。上沼恵美子、リーダーはわかるとして、博多大吉先生が泣いている、ていうのは意外で、胸にジーンとくるものがありましたね。

 

まとめ

総じて、今大会はレベルが高く、安心してみていられる大会でした。

逆に言えばM-1からニュースターが生まれる「爆発力」みたいなものはなく、ある意味でいうと平凡な大会であったようにも思いますが、個人的には、とろサーモンの優勝というドラマで全て持っていかれたいい大会だったなぁ、と。

少なくとも、大会を観終えた感想としては、2008年以降の大会で一番良かったです。

 

とろサーモン、売れて欲しいような売れて欲しくないようなそんなコンビなんですけど、でも今後も頑張れ!

応援しています。

 

それではっ!