いまの若者たちはそろそろ「借金をした方が得」な時代であることに気が付いた方がいい
僕は今31歳ですが、僕たちの世代って親から「借金は悪」という固定観念を植え付けられてきた世代なんですよね。
僕たちの親世代が僕たちくらいの年齢のころ、つまりバブルのころの住宅ローンって、金利6~8%だったんですよ。
例えば5,000万円を年利6%の固定、35年間の元利均等で借り入れたとすると、ローン返済総額は利息も入れて約1億2,000万円になります。
5,000万円しか借り入れてないのに、1億2,000万円返済しなければいけないんです。
返済額の半分以上は利息支払、という状態だったんです。
もうね、わけがわからない。
それでも、バブルの時はみんながお金を借りて住宅を買いました。
みんな「土地や住宅価格、物価、給料すべてがドンドン上がっていくから、売れば逆に利益が出る」と信じていたから。
そしてバブルがはじけ、住宅を売っても住宅価格が下落してしまって膨れ上がった借金を完済することができず、僕たちの親世代は泣く泣く借金を払い続けてきました。
そしてそんな苦い体験から、子供に「借金は悪」という固定観念を植え付けたんです。
だからこそ、僕たち世代でも「住宅を購入する頭金を貯金するために今は少し狭めの賃貸をしている」とか「頭金を1,000万円支払って家を購入した」とかっていう話をよく聞きます。
なぜなら「借金は悪だからなるべく少ない方がいい」という固定観念をみんなが信じているから。
でも、果たしてそうなんでしょうか。
僕も最近住宅を購入したんですが、いろいろシミュレーションしたりしたんですけど、どう考えても全額ローン組んだ方が得なんですよね。
僕がもし現金一括支払いで家を購入できる状況であったとしても、僕はローンを組みます。
そして、将来的に住宅を購入する予定があってその予定が変わらないなら、いますぐ賃貸をやめて全額ローンを組んで住宅を購入した方がいいです。(それでも当然初期費用は数百万円かかるんで、そのお金があればですけど)
例えば今現在、先ほどの例と同様に5,000万円借り入れて住宅を購入するとしましょう。
現在の金利は変動なら0.5%を切る水準、全期間固定でも1.0%強です。
最近審査してもらった僕のローンの利率はSBI銀行で変動0.457%でした。
ここでは金利変動リスクを無視して考えるために、固定金利1.0%と仮定して考えます。
もし頭金を1,000万円支払って35年間の元利均等で借り入れをした場合、ローン返済総額は利息と頭金も入れて約5,700万円になります。
一方、全額ローンで同条件で借り入れをした場合、ローン返済総額は約5,900万円になります。
バブル時期とそもそもの返済総額が全然違うことは一目瞭然ですが、頭金を入れるかどうかについてはどう思いますか?
「ほらやっぱり差額200万円も違うじゃないか」
と思いますか?
実は全然そんなことないんですよ。
ここで重要なのは、手元に置いておいた1,000万円の価値です。
1,000万円くらいあれば、安定運用をしたとしても2%くらいの資産運用益は継続的にあげることが可能です。
200万円程度であれば複利計算して10年ほどで元が取れますし、35年なら1,000万円の資産運用益があがります。
僕なら、1,000万円手元にあったとしても借りられるのであれば絶対にローンを組みます。
なぜなら、今の時代は借金した方が得だからです。
もしくは、1,000万円を貯めるまでに支払う家賃の金額はどうでしょう。
僕はいま家賃月額16万円のところに住んでいます。
そうすると年間約200万円支払い家賃にかかることになるので、1年以内に1,000万円貯められるわけではないなら家賃支払いだけを考えても、やはり今すぐにフルローンで住宅購入した方が得、ということになります。(支払総額の差額が200万円だから)
いま企業では「いかにこのタイミングにたくさん借金をしておくか」という対策を講じています。
なぜなら「借金をしたほうが得」ということが各企業の財務部門の共通認識としてわかりきっていることだからです。
そして「借金をした方が得」なのはなにも企業だけじゃないんです。
個人も同様に、いまは「借金をした方が得」な時代なんです。
僕はこのことに、自分が住宅購入を真剣に検討して初めて気が付きました。
それまでは、当然のように
「借金は悪」
「住宅購入するなら頭金を貯金してからの方がいい」
と盲目的に信じて、疑うことすらしていませんでした。
僕と同世代の人たちのなかには、昔の僕と同じように盲目的に「借金は悪」という固定観念を信じている人って結構多いんじゃないかな、と思うんですよね。
そういう人にはそろそろ「借金をした方が得」な時代であることに気が付いてほしいですね。